日本門脈圧亢進症学会雑誌
Online ISSN : 2186-6376
Print ISSN : 1344-8447
ISSN-L : 1344-8447
原著
胆管空腸吻合部静脈瘤出血例の臨床的特徴
高木 忠之, 引地 拓人, 加藤 恒孝, 中村 純, 栁田 拓実, 大塚 充, 野口 祐紀, 亀岡 英介, 和田 淳, 大平 怜, 今村 秀道, 大平 弘正
著者情報
ジャーナル フリー

2026 年 32 巻 1 号 p. 10-17

詳細
抄録

胆管空腸吻合部に発生する静脈瘤はまれである.本研究は,胆管空腸吻合部静脈瘤出血例の臨床的特徴を明らかにすることを目的とした.胆管空腸吻合部静脈瘤出血例10例を対象に,患者背景と治療成績,予後を検討した.膵胆道癌などに対する膵頭十二指腸切除後に門脈閉塞を来した肝外門脈閉塞症が8例,胆道閉鎖症に対する肝外胆管切除術施行例が2例であった.初回治療は内視鏡的組織接着剤注入術が4例,ポリドカノールを用いた傍静脈瘤注入の内視鏡的硬化療法が2例,止血鉗子による凝固療法が1例,部分的脾動脈塞栓術が1例,2例は治療介入なく経過観察された.内視鏡的組織接着剤注入術施行例では1例に消化管穿孔を来したが,すべて初回治療で止血が得られ再発はなかった.一方,内視鏡的硬化療法,止血鉗子による凝固施行例は全例で出血再発を認め,胆管炎や肝不全を2例で認めた.以上から胆管空腸吻合部静脈瘤出血例に対する治療は内視鏡的組織接着剤注入術が最適である可能性がある.

著者関連情報
© 2026 日本門脈圧亢進症学会
前の記事 次の記事
feedback
Top