抄録
胃静脈瘤に対する予防的硬化療法 (EIS) の是非につき, EIS施行例とEIS非施行例との予後を比較することにより検討した.対象は形態がF2以上の胃静脈瘤を有し未だ出血のない症例で, EIS施行例が31例, EIS非施行例が30例である.EISは透視下にてiopamidol混和5%ethanolamine oleate (EOI) の直接穿刺法を施行した.予後については累積出血率, 累積出血死亡率, 累積死亡率を比較するとともに多変量解析により予後規定因子を検索した.累積出血率, 累積出血死亡率, 累積死亡率ともEIS施行例の方がEIS非施行例に比べ有意に低率であった.さらに, 比例ハザードモデルによる多変量解析では予防的EIS施行の有無が出血および死亡の規定因子として有意であった.以上より, F2以上の静脈瘤を有する症例における予防的胃静脈瘤硬化療法は予後からみてきわめて有用であることが示唆された