日本門脈圧亢進症食道静脈瘤学会雑誌
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肝硬変症性門脈圧亢進症における循環亢進状態の病態と, その臨床的意義
蓮見 昭武藤田 順子岡本 喜一郎杉岡 篤小森 義之宇山 一朗江崎 哲史松井 英男鳥居 和之曽我 良平若山 敦司大山 晃弘
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1998 年 4 巻 3 号 p. 296-302

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抄録
肝硬変症性門脈圧亢進症・食道胃静脈瘤の治療に際しては, 門脈系領域の循環異常, とくに食道胃静脈瘤の発症に直接関連する循環異常の病態を, 正しく理解しておくことが肝要であり, 門脈圧亢進にともなう遠肝性副血行路としての病態とともに, 下部食道胃噴門部領域における粘膜下A-VA開大増加にともなう循環亢進状態としての病態の有する意義を十分認識しておかねばならない.静脈瘤発症の病態に対応した治療としては, 遠肝性副血行路血流と局所流入動脈血流の両血流をともに遮断する方法, もしくは下部食道胃噴門部領域の血流を大循環系ヘドレナージする方法が, 合理的な治療法となる.そこで, 現行の各種静脈瘤治療法それぞれの循環異常の病態からみた意義について検証し, 適応・治療限界などを明確にするとともに, とくに非観血的治療法における問題点と今後の課題を呈示した.
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© 日本門脈圧亢進症学会
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