日本門脈圧亢進症学会雑誌
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H.pylori感染と特発性血小板減少性紫斑病との関連
鈴木 孝良松嶋 成志白井 孝之渡辺 勲史峯 徹哉
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2005 年 11 巻 4 号 p. 344-349

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抄録
慢性型の特発性血小板減少性紫斑病 (idiopathic thrombocytopenic purpura: ITP) は, 血小板に対する自己抗体により惹起される自己免疫疾患であり, ステロイド療法, 脾摘や免疫抑制剤投与などが行われてきた.しかし, 1998年にはじめてH.pylori除菌治療により血小板の増加が認められたという報告がされて以来, 多くの国でその臨床的検討が行われている.その結果, 本邦では約半数の症例でH.pylori除菌療法が有効であり, その安全性および長期効果も確認されつつある.ところが, そのメカニズムや治療効果の予測因子など詳細不明なところも多い.そこで本論文では, これまでの国内外の臨床研究を中心に紹介し, 慢性ITPにおけるH.pylori除菌療法の治療成績, 血小板増加に関与する因子更には今後の問題点についても述べてみたい.
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