日本門脈圧亢進症学会雑誌
Online ISSN : 2186-6376
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部分的脾動脈塞栓術と脾膿瘍
近森 文夫岡本 博司国吉 宣俊河島 孝彦高瀬 靖広
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2008 年 14 巻 4 号 p. 306-312

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抄録
PSE後脾膿瘍の文献報告ならびに筆者らの経験症例を中心にその問題点と今後の課題について述べた.Gelatin spongeを用いたPSE術後脾膿瘍の発生頻度は0~11%であったが, アクシデンタルな100%脾梗塞を確実に防止することが重要と思われた.筆者らは, マイクロカテーテルの超選択挿入を基本に, 塞栓物質としてマイクロコイルを好んで使用してきたが, 本手技によるPSE後脾膿瘍発生率は1.2% (1/81) であった.筆者らの経験症例は50%脾梗塞率であったが, Clostridium difficile を起因菌として脾膿瘍を発症した.本症例においては積極的な培養検査と抗生剤の的確な使用, 経皮的ドレナージのタイミングがキーポイントであった.
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© 日本門脈圧亢進症学会
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