日本門脈圧亢進症学会雑誌
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CTAPがB-RTOの術前評価に有用だった門脈-大循環シャントの3例
鈴木 穣岩崎 隆雄田辺 暢一福島 耕治山川 暢山極 洋子西岡 可奈下瀬川 徹豊田 隆謙
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2000 年 6 巻 1 号 p. 26-31

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抄録
B-RTOは胃静脈瘤のみならず肝性脳症に対しても有用な治療法であるが, 胃腎シャントが存在しなかったり, 排血路の走行が非定型的な場合には施行が困難となる.症例1は胃腎シャントが存在せず, 排血路が複数存在していたが, computed tomography during arterial portography (CTAP) を丹念に読影することによって1本の共通の排血路の存在が判明し, そこまでバルーンカテーテルを挿入しB-RTOを施行した.症例2はCTAPにて, 脾腎シャントの排血路が複数の太い枝に分かれていることが判明した.B-RTO用シース等を用いガイドワイヤーを門脈右枝まで挿入し, B-RTOを施行した.症例3はCTAPにて脾腎シャント出口が細い何本かの血管によって構成されていることが判明し, 巨大バルーンとマイクロカテーテルの使用にてB-RTOが施行できた.いずれも術前にCTAPを施行することによって, シャント血管を三次元的に把握することが可能であり, B-RTOの術前評価に右用であった.
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