日本門脈圧亢進症学会雑誌
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直腸静脈瘤破裂に対するEVL直後に食道静脈瘤破裂を来した1例
杉田 博二松下 肇
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2002 年 8 巻 2 号 p. 96-99

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抄録
症例は77歳C型肝硬変男性.平成11年3月大量下血で来院.大腸内視鏡検査で直腸の結節状に蛇行した青色静脈瘤より噴出性出血を認め, 出血点にEVLを施行した後, 周辺静脈瘤にクリッピングを追加した.その約30分後に大量の新鮮血を吐血し, 上部消化管内視鏡検査施行.LmF2CbRC (+) の食道静脈瘤が4条認められた.また, EC junction直上の静脈瘤より噴出性出血が認められ, EVLを5箇所施行した.第6病日に1% AS 15mlを用いてEIS法による硬化療法を行った.平成11年7月の全大腸内視鏡検査では静脈瘤は直腸のみで他の結腸に静脈瘤を認めなかったが, 平成13年2月には全大腸にF1静脈瘤の出現を認めた.本邦での直腸静脈瘤出血例の治療報告例は少なく10数例のみで, 直腸静脈瘤破裂後引き続き食道静脈瘤破裂を来したものは本症例が初例と思われる.直腸静脈瘤へのEVL施行後, 門脈圧が上昇し食道静脈瘤破裂をひき起こし, さらに食道静脈瘤硬化療法後1年7カ月で全大腸に静脈瘤の出現をみた稀な症例を経験したので報告する.
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