日本小児血液・がん学会雑誌
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シンポジウム7: 難治性固形腫瘍の新規治療法開発
モデル化が明らかにする小児・AYA世代の骨軟部肉腫の病態解析
田中 美和中村 卓郎
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2021 年 58 巻 5 号 p. 369-373

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抄録

希少がんの代表ともいえる骨軟部肉腫は,発生部位,臨床像,病理所見が多彩でサブタイプも多く,小児や若年成人に発生するケースも少なくない.有効な治療薬が十分に開発されていない現状で,我々は骨軟部肉腫動物モデルを用いた研究を通して,その成果を臨床へ還元したいと考えている.骨軟部肉腫を再現する動物モデルを確立することは,肉腫本態の解明や発症予防,分子標的治療薬の開発につながると期待される.近年,様々な骨軟部肉腫モデルが作製されるようになり,長い間謎であった肉腫の発生起源や成り立ちに対する答えが導かれつつある.本稿では,肉腫モデルを用いた研究について現状と展望を交えて紹介したい.

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© 2021 日本小児血液・がん学会
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