【背景】高校生がん患者には学習支援,復学支援の両者からなる教育支援が求められるが,十分な支援が行われているとは言い難い.教育支援の促進を妨げる一因として,教育支援の成果が明らかになっていないことが考えられる.我々は教育支援を受けた患者を調査し,その成果を検討した.
【方法】2005年4月から2021年4月までに当院で長期入院を必要とした高校生の血液腫瘍患者14例を対象とし診療録から後方視的に復学,進学,就職状況を調査した.
【結果】10例が教育支援を受け(教育支援群),4例が教育支援を受けていなかった(非教育支援群).教育支援群では学習支援に加え,復学支援として特別支援学校への転学時に,「退院後,再度転入で学籍を受け入れることを前提とする」取り決めを全例で原籍校と交わしていた.非教育支援群は4例中3例が復学後に留年した一方,教育支援群は全例が復学後に留年せず卒業した.4年制大学進学率は非教育支援群では0%であったのに比較し,教育支援群では55%と高い傾向にあった.
【結語】教育支援の成果を明らかにした.医療者および教育者,さらには行政が学習支援,復学支援両者から成る教育支援の有効性を理解することが必要と考えられた.