日本小児血液・がん学会雑誌
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シンポジウム3:小児血友病医療の今後の展開
血友病Aインヒビター治療における今後の展望
古川 晶子野上 恵嗣
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2022 年 59 巻 5 号 p. 348-354

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抄録

近年,血友病治療はパラダイムシフトを迎えている.Non-factor製剤の登場によりインヒビターの有無に関係なく出血予防が可能となり,さらに遺伝子治療の臨床試験も進んでいる.しかし,現在使用可能なnon-factor製剤では,血友病A患者の破綻出血時や周術期の止血管理には凝固因子製剤を併用する必要もあり,その組み合わせにより血栓症の発症が報告されている.また,非重症血友病A症例でもインヒビターが出現することがあり,生来定期補充療法を要しない症例でも急に止血困難に陥る.このように現在でもインヒビターは血友病医療における重要な課題である.免疫寛容導入療法(ITI)は,インヒビター消失の目指す唯一の治療法であり,わが国のITIの現状(J-ITI Registry)も最近報告された.インヒビター発生に関わる要因についても,欧米中心に前方視的調査も行われてきたが,わが国でもJ-HIS studyとして血友病A患者のF8変異とインヒビター発生リスクの関連について最近報告された.インヒビター発生の基礎研究も精力的に行われている.今後はこれらの多くの情報をもとに,インヒビターの治療戦略確立につながっていくことが多いに期待される.

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