2023 年 60 巻 1 号 p. 57-60
副腎皮質腫瘍は稀な疾患であり,良悪性の診断が難しい疾患である.症例は,早発陰毛を主訴に来院した5歳1か月女児.画像検査で右副腎腫瘍を認め,機能性副腎腫瘍,ゴナドトロピン非依存性思春期早発症と診断した.転移は認めず全摘出術が可能だった.しかし,副腎皮質腫瘍の臨床病理学的な診断基準であるWeissの基準では悪性,Wienekeの基準では良性と判定された.2つの基準による形態学的評価,Ki-67による免疫組織化学的評価を総合的に判断し,最終的に良性の副腎皮質腺腫として,術後化学療法は行わない方針とした.術後1年となる現在,再発は認めておらず,不要な術後療法を回避した.