日本小児血液・がん学会雑誌
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症例報告
NUTM1融合遺伝子を有した乳児急性リンパ性白血病の一例
坂口 大典三上 真充酒井 達紘藤尾 光秦 大資石前 峰斉江口 真理子塩田 光隆
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2024 年 61 巻 1 号 p. 80-85

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抄録

乳児B前駆細胞型急性リンパ性白血病(BCP-ALL)の多くはKMT2A遺伝子再構成陽性で予後不良である.また低年齢発症例(生後6か月未満)も予後不良因子とされる.一方KMT2A遺伝子再構成陰性例は比較的予後良好であることが知られていたが,2021年に日本を含む世界的な検討で,KMT2A遺伝子再構成陰性の乳児BCP-ALLの中にNUTM1(nuclear protein in the testis member 1)融合遺伝子陽性例が存在し,4年全生存率は100%であったことが報告された.

今回生後4か月で発症し,最終的にNUTM1融合遺伝子を認めた乳児BCP-ALL例を経験した.肝脾腫を指摘され当院を紹介受診し,精査にてBCP-ALLと診断された.骨髄検査でKMT2A遺伝子再構成陰性であり,染色体検査でt(14;15)(q24;q15)を認めたことを契機にNUTM1融合遺伝子の存在が判明した.染色体15qの異常を有する乳児BCP-ALLではNUTM1融合遺伝子の検索が重要であると思われた.

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