7歳の娘が急性骨髄単球性白血病と診断され,治療が成功した経験から,小児がん経験者とその家族を支援する活動を始めた.2005年には,小児がん経験者が生命保険に加入することの困難さを解決するために「ハートリンク共済」を設立した.さらに,晩期合併症により就職が困難な小児がん経験者の支援のため,2011年にNPO法人「ハートリンクワーキングプロジェクト」を設立し,2013年には就労施設「ハートリンク喫茶」を開設した.これらの活動は,小児がん経験者が社会で自立して生きていくための支援を提供することを目指している.当会では,来られる方々に合わせた指導を行い,社会的職業訓練を重視している.特に金銭管理の教育に力を入れ,給料からの積立てを通じて財形貯蓄を促している.また,敬語や丁寧語の使い方を学び,コミュニケーション能力を向上させ,自己評価を通じて,自分の成長を確認し,一般企業での就労に向けた準備をする.しかし,就労支援活動を通じて,能力・知力が高くない人の企業の採用は難しく,一人一人に合った教育が必要であるが,その前に親元から離れて自立することが何より重要である.その他の活動として,小児がんフォローアップ研究助成事業,チャリティーコンサート,入院中の子どもへのライブ配信や遠隔教育支援等がある.最後に,医療関係者に対して就労困難者の支援を呼びかけた.