2025 年 62 巻 1 号 p. 63-67
我々は出血傾向を伴う免疫性血小板減少症(ITP)難治例に対してミコフェノール酸モフェチル(MMF)が有効と考えられた1例を経験した.症例は8歳女児.紫斑と鼻出血を契機にITPと診断し,二次性ITPのスクリーニングで有意な所見を認めなかった.Evans症候群の母,母方家系で血小板減少症罹患者1名の家族歴を有した.免疫グロブリン大量療法,ステロイド,ステロイドパルス療法は無効であり,当院倫理委員会の承認を得た上でトロンボポエチン受容体作動薬(TPO-RA),リツキシマブを使用したが効果は一時的なものであった.MMF導入後に血小板数は安定し,MMF開始5か月,6か月,14か月後にそれぞれステロイド,TPO-RA,MMFの投薬を終了できた.小児難治性ITPに対してMMFは有効な選択肢となる可能性がある.