日本小児血液・がん学会雑誌
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シンポジウム1:非腫瘍性血液疾患のup to date
先天性血小板減少症・異常症に対するレジストリと次世代シーケンスを活用した診断アプローチ
坂本 淳内山 徹國島 伸治要 匡小原 収石黒 精
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2026 年 63 巻 2 号 p. 115-124

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抄録

先天性血小板減少症・異常症は,巨核球分化,血小板産生,細胞骨格形成,膜受容体,あるいは顆粒形成に関わる病的バリアント(変異)によって生じる,血小板減少および/または血小板機能異常を特徴とする多様な遺伝性疾患群である.多くの原因遺伝子が同定されているが,先天性血小板減少症は依然として診断されにくく,しばしば免疫性血小板減少症と誤診され,不適切な治療につながっている.診断精度の向上を目的として,私たちは末梢血塗抹標本の評価,免疫蛍光染色,フローサイトメトリー,および先天性血小板減少症・異常症関連56遺伝子を対象とした次世代シーケンサーを用いたパネル解析を統合した,全国レジストリおよび中央集約型診断プラットフォームを構築した.この体制により,登録患者のおよそ半数で病的バリアントが同定され,多様な遺伝性血小板異常症が診断された.本レジストリにより,MYH9異常症の診断遅延や重症例の自然史が明らかにできた.ANKRD26関連血小板減少症ではANKRD26転写レベルと臨床症状の相関を調べた.また,22q11.2欠失症候群のGPIb発現と出血症状との関連を検討した.その他,複数の先天性血小板減少症の遺伝子異常を有する症例も報告した.これらの知見は,形態学的,機能的,遺伝学的解析を組み合わせた全国的診断体制を通じて得られたものであり,今後も早期かつ正確な診断,不適切な治療回避,リスクに応じた適切な診療管理を目指していく方針である.

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