Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
成人脊柱変形手術の患者満足度を規定する因子は何か?
長本 行隆岩﨑 幹季武中 章太奥田 眞也松本 富哉髙橋 佳史古家 雅之海渡 貴司
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2021 年 12 巻 9 号 p. 1143-1151

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抄録

はじめに:成人脊柱変形(ASD)に対する矯正固定術は良好な成績が報告されているが,体幹柔軟性低下や高い合併症率の問題があり,患者評価を把握しておくことが重要である.今回満足度を規定する因子について独自質問票を用いて調査した.

対象と方法:対象はASDに対して矯正固定術を行い1年以上経過観察できた55例で,調査項目は,背景データ,手術データ,術前,最終時の画像パラメータ,最終時のSRS-22R,ODIとした.独自質問票を用い,腰背部痛,整容,バランス,食欲の4つの項目を5段階評価,体幹柔軟性に関する5種のADL評価,手術期待度,達成度,満足度も調査した.SRS-22Rのsatisfaction4.0で2群に分け多変量解析にて満足要因を抽出した.

結果:82%が満足であった.術前期待が達成された場合95%で満足が得られたが,達成されないと55%に留まり有意差を認めた.満足要因として,腰背部痛の改善,ΔLL,ΔPTが同定された.

結語:満足度に寄与したのは腰背部痛の改善,LLとPTの獲得であった.術前期待の達成も満足度に重要で,期待達成のために術前の患者理解が必須である.

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© 2021 Journal of Spine Research編集委員会
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