Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
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フレイルが頚椎椎弓形成術の術後10年以上の長期成績に及ぼす影響
尾ノ井 勇磨金山 修一楠瀬 正哉篠原 一生平田 裕亮金村 在哲
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2022 年 13 巻 1 号 p. 12-19

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抄録

はじめに:近年,フレイル(虚弱性)と脊椎領域疾患との関連性には注目が集まっているが,頚髄症の長期治療成績に関する報告はまだ少ない.今回,フレイルと頚椎椎弓形成術術後10年以上の長期成績との関連性について調査したので報告する.

対象と方法:頸椎椎弓形成術術後10年以上追跡可能であった103例(男性73例,女性30例,平均61.0歳,CSM 78例,OPLL 25例)を調査した.5-item modified frailty index(mFI-5)を用いて,健康群(術前mFI-5 = 0),フレイル予備群(= 1),フレイル群(≧2)の3群に分け,JOAスコア,JOAスコア改善率を評価した.

結果:健康群では術後1年で改善したJOAスコアが10年以上経過後も維持されたが,フレイル予備群,フレイル群では術後1年で改善したJOAスコアが10年以上経過後には低下していた.

結語:術前のフレイルを評価することは,頚髄症患者の術後成績を予測するために有意義であると考えられた.

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© 2022 Journal of Spine Research編集委員会
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