2023 年 14 巻 4 号 p. 716-721
2001~2020年に行ったリウマチ患者を対象とした脊椎手術87名(男性13名/女性74名,平均69.5歳(46~89歳))を検討した.主な病変は頚椎28例,胸椎1例,腰椎58例であった.主な推移は,2011~20年では(2001~10年と比して),年齢(65.6歳/71.7歳)および腰椎手術(38%/89%)が有意に多く,環軸椎亜脱臼を伴う固定術(26例)は,有意に減少していた(88%/12%)(p<0.05).2011年以降の手術では,MTXあるいは生物製剤使用が87%(41例/47例)を占めていた.インプラント使用時の再手術率は23%(18例/77例)で,THA/TKA歴のある場合の再手術率は有意に高かった(46%/17%,p<0.05).7例(8%)に術後感染,2例(2%)に術後1年以内の死亡(うち入院中1例)をみとめた.近年,生物製剤の導入によりリウマチ頚椎病変による固定手術が著しく減少し,非リウマチ患者と同様に腰椎変性疾患が大半を占めるようになった.一方で再手術率は大関節置換を行っていた場合には有意に高く,特に慎重なフォローを要する.