2023 年 14 巻 9 号 p. 1234-1238
はじめに:本研究の目的は,保存治療に抵抗する急性型化膿性脊椎炎の予測因子を検討した.
対象と方法:対象は急性型化膿性脊椎炎に対し保存治療を行った76例である.男性49例,女性27例,年齢は平均74歳,観察期間は平均198日であった.以上の症例のうち保存治療に抵抗した30例をR群,抵抗しなかった46例をNR群とし比較検討した.
結果:年齢,性別,医療機関受診から診断までの期間,易感染性宿主,MRIの感染進展症例,耐性菌には有意差はなかった.R群とNR群の罹患椎体数は有意差を認めた.体温は有意差を認めなかった.WBCは初診時WBCに有意差を認めた.CRPは治療1週/2週/3週/4週CRPに有意差を認めた.多重ロジスティック回帰分析では,4週のCRPのみに有意差を認め,カットオフ値はCRP 2.0 mg/dlであった.
結語:保存治療に抵抗する急性型化膿性脊椎炎は,治療4週のCRPで予測可能であり,カットオフ値はCRP 2.0 mg/dlであった.