【目的】在宅終末期がん患者に対する臨死期の鎮静薬の使用と,在宅療養期間との関連を明らかにする.【方法】2013年6〜11月末までに在宅特化型診療所17施設の診療を受けたがん患者1,032名の診療録調査から自宅死亡前48時間以内に使用した鎮静薬を調べ,鎮静薬使用群と不使用群に分けて,在宅療養期間を比較した.【結果】使用された鎮静薬はジアゼパム(n, %:100, 52%), フルニトラゼパム(29, 15%), ブロマゼパム(27, 14%), ミダゾラム(26, 13%), フェノバルビタール(20, 10%)の順であった.鎮静薬使用群と不使用群とで療養期間中央値[四分位範囲]はそれぞれ,26[13, 63]日,25[10, 64]日(Adj p=0.79)であった.【結論】在宅終末期がん患者に対する,臨死期の鎮静薬使用は24%にみられ,その半数以上はジアゼパムであった.在宅療養期間との関連は認めなかった.