Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
短報
COVID-19蔓延下での担がん患者および患者家族,医療従事者への面会制限の心理的影響
白石 朝子 安髙 久美子木村 恵鍋島 直美伊藤 誉人井手 飛香近藤 貴子尾崎 彩子塚田 順一
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2022 年 17 巻 2 号 p. 65-70

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抄録

COVID-19蔓延下の面会制限で入院療養への影響,患者・家族のニーズの把握は重要である.産業医科大学病院 緩和ケアセンターに紹介された担がん患者,家族(以下,患者家族),当該患者のプライマリーナース(以下,PNs.)を対象とし,無記名自記式の質問紙調査を行った.統計解析にはEZRを用い,p<0.05を有意差ありとした.患者31例(男性9例,女性22例,年齢中央値65歳(30~85歳)),患者家族25例,PNs.26例の回答を得た.「面会制限があることで気持ちが落ち込むことがあるか」という質問では患者よりも有意に患者家族への影響が強かった(p<0.05).面会手段に関しては患者と比較して患者家族は直接面会を希望する傾向にあった(p<0.05).面会制限の影響は患者よりも患者家族に大きく,面会制限下では家族ケア・サポートがより重要であると考えられた.

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© 2022 日本緩和医療学会
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