Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
症例報告
左鼻腔がん頭蓋内浸潤に起因する難治性がん性神経障害性疼痛に対し,五苓散が症状緩和に有効だった一例
池上 貴子 松原 奈穂石川 彩夏川崎 成章荒川 さやか石木 寛人伊東山 舞横山 和樹里見 絵理子
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2024 年 19 巻 3 号 p. 175-180

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抄録

【緒言】頭蓋内腫瘍はさまざまな神経症状や神経障害性疼痛をきたすが,オピオイド等西洋医学的治療のみでは症状緩和に難渋することも多い.【症例】44歳男性.前医で左鼻腔乳頭腫の疑いで切除したが,術後病理検査で扁平上皮がんの診断となり,術後早期に左眼窩内転移をきたした.腫瘍の頭蓋内浸潤により,左三叉神経第2,3枝領域に疼痛,両側三叉神経第2枝領域にしびれ(Numerical Rating Scale: NRS10/10)を認めた.ヒドロモルフォンを導入し疼痛は緩和したが,しびれが残存(NRS8/10)した.経過中にしびれ,疼痛が増悪したがMRIでは腫瘍増大はなく,腫瘍周囲組織の浮腫が原因と考え五苓散を開始したところ,しびれ,疼痛ともに緩和が得られた.【考察】五苓散は,アクアポリン阻害による水分調節作用を有し脳浮腫への有効性が示されている.本例は五苓散による腫瘍周囲組織の浮腫軽減が症状緩和に寄与したと考える.

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© 2024 日本緩和医療学会

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