2024 年 19 巻 4 号 p. 299-305
コロナ禍でがんサロンの活動休止を経験したがん体験者9名にがんサロンに抱いた要望を面接調査した結果,【自分らしく安心して過ごしたり,情報交換できる場がほしい】【専門知識をもった医療従事者がいてほしい】【ほかのがん体験者と直接会って,経験を身近に感じたい】【リモートではお互いの気持ちを共感したり,伝えあうのが難しく,不全感が残るので工夫がほしい】【自分のがん体験を活かせる場がほしい】の5つのカテゴリーが抽出された.対面での交流が難しい社会情勢であっても,がん体験者はがんサロンでの交流を,情報収集や雑談のためだけでなく,生きがいと感じて,続けていきたいと望んでいたことがわかった.がんサロンの主催側は参加者が自由に交流し,共感し合えるように,感染対策やリモート開催等の工夫をして,がんサロンを休止せずに継続できる工夫をすることが重要であることが示唆された.