Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
原著
アズレンスルホン酸ナトリウム含嗽によるエベロリムスの口内炎発現予防効果
志田 敏宏加藤 智幸冨田 善彦遠藤 裕司豊口 禎子白石 正
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 9 巻 2 号 p. 122-127

詳細
抄録
背景】エベロリムスは腎細胞がんおよび膵内分泌腫瘍に対する分子標的薬であり, 最も高頻度に出現する副作用の1つに口内炎が挙げられる. しかし, エベロリムス投与時の口内炎に対して適切な予防法に関する報告はない. 【方法】山形大学医学部附属病院泌尿器科では, 2010年10月よりアズレンスルホン酸ナトリウムの含嗽による予防的介入を実施している. 【結果】エベロリムスを投与した21例について, 含嗽による口内炎発現予防効果について調査した. その結果, 非介入群の口内炎発現が83.3%であったのに対して, 介入群の発現率は53.3%と低かった. さらに口内炎の発現時期に差はなかったものの, 介入群の口内炎の症状は軽度であった. 【考察】アズレンスルホン酸ナトリウムは, 抗炎症作用や粘膜保護作用に加え創部治癒促進作用をもつことから, 口内炎の予防に有効であったと考えられる. 今後は症例を増やし, 詳細な解析が必要である.
著者関連情報
© 2014 日本緩和医療学会
前の記事 次の記事
feedback
Top