抄録
【目的】胸部食道がん根治術後患者が退院後から1年以内の生活において知覚している困難の実態を明らかにし, 外来において必要とされる看護援助について考察する. 【方法】がん専門病院の食道外科外来において胸部食道がん手術を受けた術後患者の診療録を調査し, 術後の症状・徴候・処置, 外来で患者が看護師に相談した困難を抽出し, 内容分析を行った. 本研究は研究施設の倫理委員会の承認のもと実施した. 【結果】胸部食道がんの手術を受けた66名の患者が対象となった. 患者の困難の記録単位は221, カテゴリは25, コードは65に分類された. これらから, 食事摂取に伴う多様な症状, 身体活動, 不安や日常生活に関する困難が示された. 【結論】退院後は多様な困難があり, 効果的な自己管理を促進するために継続的なケアが重要であることが示された.