周産期学シンポジウム抄録集
Online ISSN : 2759-033X
Print ISSN : 1342-0526
第7回
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シンポジウムB:IUGR:管理と予後
SFDの重症度による新生児の適応と管理
小口 弘毅蒲原 孝高田 史男野渡 正彦仁志田 博司
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p. 136-147

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抄録

 はじめに

 子宮内発育不全(SFD)は母体—胎盤—胎児系における多彩な病態生理を有する症候群であり,胎児から新生児への継続医療としての周産期医学の非常に輿味深い対象である。胎内からの発育不全は必然的に周産期の適応障害(maladaptation)をもたらし,このmaladaptationは糖代謝異常や多血症だけでなく呼吸循環系,その他多臓器にわたる機能異常であり,その頻度および重症度はSFD児の未熟性が強いほど,また発育不全が強いほど高度であると考えられる1, 2)。このような点を考慮して,SFDの新生児管理について述べた報告は少なく,ほとんどがSFDの多様性を無視し一括して論じているにすぎない3)

 そこでわれわれは在胎週数および出生体重からSFD児を6つのサブグループに分類し,周産期のmaladaptationあるいはその管理についてretrospective studyを行った。また従来より胎児発育のバランスを主として,体重と頭囲の発育から平均値より-1.5SDのラインで区切ってsymmetricalあるいはasymmetrical SFDという分類が好んで用いられているが,われわれはSFD児のバランスについて指標を作製し,バランスによるSFD児の分類にどのような意味があるか検討した。

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© 1989 日本周産期・新生児医学会
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