日本義肢装具学会誌
Online ISSN : 1884-0566
Print ISSN : 0910-4720
ISSN-L : 0910-4720
症例報告
急性期脳卒中後の重度上肢麻痺におけるポータブルスプリングバランサーと電気刺激療法の併用療法の実践報告
千葉 周平佐々木 秀一田口 晴貴軽部 敦子福田 倫也
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 40 巻 2 号 p. 149-154

詳細
抄録

脳卒中による上肢麻痺は日常生活動作の自立度を低下させるため,それに対するリハビリテーションは重要である.Portable Spring Balancer(PSB)などのスリング療法やIntegrated Volitional Electrical Stimulator(IVES)による電気刺激療法の有効性は示されているが,PSBと棘下筋に対するIVESによる電気刺激療法を併用した訓練(併用訓練)の報告は少ない.そこで,脳卒中に起因する急性期の重度上肢麻痺者に対して併用訓練を実践した症例を経験したため,実践報告として報告することとした.併用訓練はX+15日からX+28日の期間に実施され,訓練中は代償動作である肩甲帯挙上動作を抑制し,疼痛は出現しなかった.症例は,上肢麻痺やADL場面での麻痺側上肢の使用量およびその質の改善とADLの介助量軽減を認めた.

著者関連情報
© 2024 日本義肢装具学会
前の記事 次の記事
feedback
Top