日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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プラスチドの緑化過程における核様体構成タンパク質SiRの研究
*平間 岳史関根 康介佐藤 直樹
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p. 134

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抄録
 プラスチドは独自のDNAを持つオルガネラであり、葉緑体DNA (cpDNA) はタンパク質とともに核様体を構成している。葉緑体核様体の主要構成タンパク質の一つである亜硫酸還元酵素(SiR)は、cpDNAのパッケージングを行い,転写調節を行っていることが、当研究室の研究によって分かっている。SiRは葉緑体に局在し、フェレドキシン依存的に亜硫酸イオンを硫化物イオンに還元する酵素である。本研究では、プラスチドの緑化過程におけるSiRの量的・質的変化を調べた。エンドウの幼芽からエチオプラスト核様体を単離し、ウエスタンブロットを行ったところ、葉緑体核様体と同様に、主要なタンパク質としてSiRが検出された。さらに、両プラスチド核様体において、SiRの含有量に違いがあることが分かった。また、プラスチドでのSiRの質的変化を調べるために、葉緑体を分画し、それぞれのフラクションについて二次元電気泳動による分離を行い、ウエスタンブロットによってSiRを検出したところ、フラクションによってSiRの等電点が異なることがわかった。現在、このようなSiRの等電点の違いがタンパク質の修飾によるものであるという可能性について調べている。
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© 2003 日本植物生理学会
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