日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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光反応中心に結合したカロテノイドの三重項エネルギー散逸のメカニズム-温度及び時間分解ESRによる追跡-
*藤井 律子小山 泰長江 裕芳Lee WalkerBruce SalterAlexander Angerhofer
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p. 290

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抄録
光合成細菌の光反応中心に結合した15シスカロテノイド(Car)は、過剰な光を受けて三重項状態になったスペシャルペアバクテリオクロロフィル(3BChl)をクエンチすることが知られている。我々のグループでは、光反応中心に結合した15シスCarは三重項状態で捩れていること、また溶液中では三重項状態におけるシスCarの緩和速度は異性化速度とほぼ同等であることを明らかにし、これらの実測値に基づいて、光反応中心内でのCarの構造変化がもたらす効率の良い三重項エネルギー散逸の仮説を提出していた。今回我々は、紅色光合成細菌Rb. sphaeroides 2.4.1の光反応中心の時間分解ESRスペクトルを20K~200Kの一連の温度で測定し、得られたデータマトリックスから特異値解析とグローバルフィッティングを用いて、3BChlの後に現れる2種類のCarのESRシグナルを抽出し、それぞれ基底状態と同様の構造を保ったCar(3Car(I))、構造変化したCar(3Car(II))と帰属した。50Kより低温では3BChl → 3Car(I) → 3Car(II) という単純なモデルでは実測値を説明できないため、スペシャルペアと二つのアクセサリーBChl間のエネルギーのやりとりと競争するそれぞれの緩和を考慮したモデルを用いたシミュレーションですべての温度における三重項エネルギー散逸のメカニズムを追跡した。
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© 2004 日本植物生理学会
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