日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ニンジントランスポゾン Tdc における転移酵素の結合部位および特異性の解析
*押井 陽子小宮 義人伊藤 佳央小関 良宏
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p. 317

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抄録
 転移因子は染色体上を転移する遺伝因子で、原核生物から動物を含めた真核生物まで、あらゆる生物に存在している。転移因子の転移機構についてはこれまでにトウモロコシの En/Spm において、Sub-Terminal Inverted Repeat(STR) に転移酵素 (TNPA) が結合することが確認されているが、未だその詳細については明らかにされていない。
ニンジン培養細胞から見出された Tdc は構造的特徴から En/Spm 型転移因子であると考えられている。これまでに Tdc はニンジンゲノム内で20~30のファミリーを形成し、少なくとも3種類の独立した進化を遂げた転移酵素(Tdc cDNA)が存在することが明らかにされている。
 本研究では、Tdc の詳細な転移機構を明らかにするため、まず始めに Yeast one-hybrid system を用いて、ニンジン cDNA ライブラリーから STR 配列に作用する因子の探索を行なった。その結果、不完全長ではあるが Tdc cDNAが得られたことから、Tdc においても転移酵素がSTR 配列に結合することが明らかとなった。さらに STR 配列と相互作用する Tdc ORF 領域を特定する為に、これらデリーション Tdc cDNA を作成し、β-galactosidase 活性を測定することで結合能評価をおこなった。また、STR 配列に変異を導入し、Tdc 転移酵素の結合領域とその特異性について調べた。
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© 2004 日本植物生理学会
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