日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナの根の波状成長パターン異常突然変異体wav2の遺伝学的解析
*望月 進原田 明子岡田 清孝酒井 達也
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p. 491

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抄録
シロイヌナズナ芽生えの根は、傾けた適当な硬さの寒天培地表面を這わせると寒天面への接触刺激に応答して波状の成長パターンを示す。wav2は野生型よりもこの波状成長パターンのピッチ(波長)が短い突然変異体である。今回、wav2の根の寒天面へ接触しておこるねじれが促進されており、特に右ねじ方向へのねじれについて強く誘導されていることが明らかになった。また wav2 の根は、光・重力刺激による屈曲も促進されていた。これらの結果は、WAV2が根のねじれ、特に右ねじ運動の抑制機構に関与しており、この機構を通して様々な環境刺激に応答した根の成長パターン変化の調節をしていることを示唆した。マップベースクローニングの結果、WAV2遺伝子は膜貫通ドメインを持った新規蛋白質をコードしていることが明らかになった。WAV2遺伝子の発現制御、細胞内局在の観察結果等を合わせて、WAV2の機能について討論する。
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© 2004 日本植物生理学会
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