日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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CGS遺伝子発現の転写後自己制御機構:シロイヌナズナCGS1遺伝子における翻訳伸長停止と共役したmRNAの切断
*原口 雄飛櫻井 玲子門倉 嘉知尾之内 均内藤 哲
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p. 077

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抄録
シロイヌナズナにおいてシスタチオニンγ-シンターゼ(CGS)をコードするCGS1遺伝子のmRNAは、メチオニンの代謝産物であるS -アデノシルメチオニン(SAM)に応答して分解が促進される。このmRNA分解制御はCGS1第1エキソンの翻訳中に起こり、第1エキソン内部に存在する制御領域(MTO1領域)のアミノ酸配列が重要である。またmRNA分解に先立ち、SAMに応答した翻訳の一時停止がMTO1領域の翻訳直後に起こる。
小麦胚芽の試験管内翻訳系でこの制御は再現される。プライマー伸長解析により、mRNA分解の際に5’側の欠けたmRNA分解中間体(3’側断片)が複数種類蓄積することが示された。チオ化ヌクレオチドを分解位置の5’領域に挿入し、5’-3’エキソヌクレアーゼの進行を阻害した場合にも同一の3’側断片が検出された。さらに、mRNAの5’領域に相補的なビオチン標識DNAを用いて5’セレクション解析を行ったところ、3’側の欠けたmRNA断片(5’側断片)も数種類検出された。これら5’側断片の3’末端は、先の3’側断片の5’末端付近に位置していた。以上の結果から、CGS1 mRNAの分解制御にエンドヌクレアーゼが関与することが示唆された。
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© 2007 日本植物生理学会
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