日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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新規葉緑体ジカルボン酸トランスポーターの機能解析
*蓑田 歩谷口 光隆ウィーバー アンドリアス
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p. 085

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抄録
植物におけるアンモニア同化は主に葉緑体で行なわれ、アミノ酸合成の炭素骨格となる2-OGの葉緑体への取り込みとGS/GOGATサイクルにより生成されたグルタミン酸(Glu)の排出は、リンゴ酸を介して、葉緑体包膜に存在する2種のジカルボン酸トランスポーター(DiT)によって行われる。2-OGを葉緑体内に取り込むDiT1と葉緑体からGluを排出するDiT2は、共に光呼吸経路上の重要な酵素でもあり、その欠損株は通常大気条件下での生育が悪化する。アラビドプシスのゲノム上には3つのDiTが存在し、系統解析の結果から、上記の2種のDiTのどちらのブランチにも属さないDiT(pdct2)が存在する事が報告されている(Taniguchi M et al. (2002) PCP, 43:706, Taniguchi Y et al. (2004) PCP, 45:187)。pdct2はDiT2に高い相同性を示すことから、DiT2欠損株をバックグラウンドにしてpdct2を過剰発現させたところ、部分的に通常大気条件での生育の悪化を改善したが、完全には相補しなかった。このことと他のDiTと異なるpdct2の発現パターンは、pdct2は、現在までに報告されているDiTと異なる基質特異性と機能をもつ事を示唆する。現在、私達は、pdct2の基質の同定を進めており、その機能解析とともに報告したい。
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© 2007 日本植物生理学会
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