日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネ開花遺伝子Hd3aの機能解析
*玉置 祥二郎松尾 祥一Wong Hann Ling横井 修司島本 功
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p. 382

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抄録
短日植物であるイネにおいて光周性反応の分子機構を明らかにするために、イネFTホモログであるHd3a遺伝子の発現調節機構およびその機能の解析を行った。イネFT遺伝子ファミリーに属するHd3aは、短日条件下では発現が上昇し、長日条件下では発現が抑制される事が明らかとなっている。またこの遺伝子の過剰発現体は、早咲きとなることから花成誘導のスイッチ遺伝子であると考えられている。しかし、Hd3aはホスファチジルエタノールアミン結合タンパク質と相同性を示すこと以外に特徴的なシグナル配列はなく生化学的な機能は不明のままである。これまでに我々はHd3aの発現調節機構の解析の結果からHd3aのプロモーター領域が葉の維管束で特異的に機能していることを明らかにしている。そこで、Hd3aを篩管特異的に発現するrolCRPP16 プロモーターおよび葉特異的に発現するCabプロモーターの制御下でHd3aおよびGFP融合したHd3aを発現する形質転換体を作成したところ、得られた形質転換体は顕著な早咲き表現型を示した。このことから、Hd3aが篩管や葉で発現すると茎頂分裂組織の花芽分裂組織への相転換が促されることが示唆された。
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© 2007 日本植物生理学会
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