日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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リン欠乏時に見られる膜脂質の質的転換機構の重要性
*小林 康一粟井 光一郎中村 正展長谷 あきら太田 啓之
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p. 590

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抄録
近年、リン欠乏時にはリン脂質から糖脂質への膜の質的転換が引き起こされることが明らかになり、膜脂質におけるリン欠乏応答機構に注目が集まっている。我々はシロイヌナズナを用いた研究から、リン欠乏時には葉緑体膜の主要膜糖脂質であるmonogalactosyldiacylglycerolの合成を担う遺伝子、MGD2MGD3の発現が強く誘導されることを明らかにした。
本研究では、リン欠乏時に起こる適応応答にMGD2/3がどのように寄与しているかを調べるために、これらの遺伝子のT-DNA挿入変異体解析を行った。脂質解析の結果、リン欠乏時に起こるガラクト脂質の増加には、特にMGD3が重要であることが分かった。根においてその重要性は顕著であり、mgd2mgd3二重変異体ではリン欠乏によるガラクト脂質の増加がほとんど見られなかった。そこで、これらの変異体で見られたリン欠乏時の糖脂質代謝異常が、植物の生長にどのような影響を及ぼすかを調べた。その結果、mgd2mgd3二重変異体では、重量の減少、根の伸長阻害、子葉での光合成活性の減少が観察された。これらの表現型はリン欠乏時にのみ見られたことから、MGD2/3はリン欠乏時の糖脂質の増加に特異的に寄与していると考えられる。さらにこれらの結果は、リン欠乏時に見られる膜脂質の質的転換が実際に植物の生長に重要であることを示している。
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© 2007 日本植物生理学会
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