抄録
植物の光形態形成はCOP/DET/FUS (Constituitive/De-etiolated/Fusca)タンパク質によって負に制御されている。近年、COP/DET/FUSタンパク質が光形態形成を正に制御する転写因子の分解を促進することが明らかになった。そこで、本研究ではCOP/DET/FUSタンパク質の一つであるCOP10を介したタンパク質分解制御機構の解明を目指している。COP10はUV-damaged DNA binding protein 1 (DDB1)とDe-etiolated 1 (DET1)とCDD複合体を形成している。昨年、CDD複合体はさらにCullin4とRbx1と相互作用することが明らかとなった。我々はCDDコア複合体にさらに相互作用する新規因子を探索することで、光形態形成におけるタンパク質分解制御機構解明を目指している。
COP10の相互作用因子の探索のために、我々はFlag-tagged COP10 Arabidopsis (Flag-COP10)を作出した。このFlag-COP10を材料としてCDD複合体とその相互作用因子の精製を行ったところ、新規な相互作用因子と思われるバンドが検出できた。現在これらの因子の同定を行っている。