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C4光合成のPEPCは、リンゴ酸によるアロステリック阻害を受ける。この阻害感受性はpH7で高く、pH8では著しく低下する。細胞質のpHは光合成時に上昇するので生理的に意味のある性質であろう。大腸菌酵素(EcPEPC)にはこの性質はない。PEPCの立体構造の解析より、PEPCの阻害と活性化はフレキシブルループI(C4光合成型トウモロコシ酵素(ZmPEPC)の残基番号で631-651)の二方向的な動きによるが、今回ZmPEPCの組換え体のX線結晶解析に初めて成功し、このループの動態がpH依存的に異なること、pH7ではこのループ中のHis(H653)が荷電し、植物特有のループII(124-140)との相互作用が強くなり固定される可能性を示唆した。これを実証するため、種々の部位特異的変異をZmPEPC(H653N, H653D, H653K, H653R, D133A/E134A, E140A/D142A, G650A/T652A)およびEcPEPC (A590G/A592T, A592G/A594T, なおH593はZmPEPCのH653に相当)に導入し、この可能性をほぼ支持する知見を得た。