抄録
ジテルペン型ファイトアレキシンのモミラクトンとファイトカサンの生合成前半を担うジテルペン環化酵素遺伝子は全て同定されており、それに続く酸化反応を担う酵素遺伝子についても、モミラクトン生合成に関しては、4番染色体上にクラスターを成すP450遺伝子(CYP99A2,CYP99A3)とデヒドロゲナーゼ遺伝子(OsMAS)の関与が示されている。一方、ファイトカサン生合成遺伝子については、2番染色体上のファイトカサン生合成に関与するジテルペン環化酵素遺伝子の近傍に6種のP450遺伝子が存在するが、それらの機能は同定されていない。そこで本研究では、RNAi法による発現抑制株を作製し、2番染色体上でクラスターを成すこれらのP450遺伝子群が、ファイトカサン生合成に関与しているかを追究した。クラスター内のP450遺伝子6種のうち、相同性が高い2種(CYP71Z6、CYP71Z7)については二重発現抑制株の作製を試みた。得られたRNAi株3株についてエリシター処理後のファイトカサン生産量の測定を行った。その結果、当該RNAi株ではファイトカサンA-EのうちファイトカサンAおよびBの生産が特異的に抑制されていることが判明し、CYP71Z6/CYP71Z7がジテルペン炭化水素以降の酸化段階で2位水酸化を触媒することが示唆された。