日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ホウレンソウPsbPがPSII複合体へ結合するために必要なリジン残基の同定
*奥村 彰規鈴木 克則小甲 裕一鈴木 健裕堂前 直中里 勝芳榎並 勲
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p. 0326

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抄録
高等植物のPsbPは結晶構造解析がなされているが、光化学系II複合体(PSII)への結合部位の詳細に関しては不明である。以前、我々はPsbPの正・負電荷を消去する化学修飾法により、ホウレンソウPsbPがPSIIへ結合するためにはリジン残基の正電荷が重要であり、結合に関与している可能性がある6領域(Lys11-Lys14、Lys27-Lys38、Lys40、Lys90-Lys96、Lys143-Lys152、Lys166-Lys174)を見出した。今回は、これらの中で、どのリジン残基の正電荷が結合に直接関与しているかを決定するために、正電荷をもつリジン残基を電荷のないグリシン残基に置換したPsbPを作製し、PSII標品に対して再構成実験を行い、その結合能を調べた。その結果、Lys11-Lys14、Lys27-Lys38、Lys143-Lys152、Lys166-Lys174の4領域に存在するリジンをグリシンに置換したPsbPは、PSIIへの結合能が明らかに減少していた。これらの領域の中で高等植物間で完全に保存されている8つのリジン残基(Lys11、Lys13、Lys33、Lys38、Lys143、Lys166、Lys170、Lys174)を1つずつ置換したPsbPを作製し、それらの結合能を調べつつある。こうして得られた結果をPsbPの結晶構造に当てはめて議論する予定である。
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© 2008 日本植物生理学会
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