抄録
我々は、中心目珪藻Chaetoceros gracilisから高い酸素発生活性を有するPSIIの単離に初めて成功した。この珪藻PSIIには反応中心(2 Pheophytin)あたり229分子ものChl.aが結合していた。また、Blue-Native PAGEにより得られた珪藻PSII coreにも反応中心あたり約80分子のChl.aが結合しており、他の植物種のPSIIに比べ、そのアンテナサイズがはるかに大きい特徴をもつ。さらに、このPSII coreには、約14分子のβ-carotineと珪藻のキサンチンサイクルに関与するdiadinoxanthinが約3分子結合していた。珪藻が、弱光下に適応するために、集光性色素であるFCPを増加するのみならず、PSII coreのアンテナサイズも大きく保持している可能性がある。そこで、本研究では、これらの色素がPSII coreを構成するどのペプチドに結合しているか明らかにする目的で、まずCP47, CP43, D1/D2 coreの分離を試みた。珪藻PSIIをHTGで可溶化した後、DEAEトヨパールに吸着させ、各種NaClとHTGを含むbufferで循環することにより、CP47, CP43, D1/D2 coreを部分的に精製することができた。それらのペプチドに結合した色素組成について報告する予定である。