日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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F-boxタンパク質EBF2によるエチレン信号伝達のフィードバック制御機構
*小西 美稲子柳澤 修一
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p. 0347

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抄録
EIN3はシロイヌナズナのエチレン信号伝達の鍵転写因子である。エチレンシグナルは26SプロテアソームによるEIN3の分解を抑制し、EIN3の蓄積を促す。EIN3の分解に関わるとされているのがSCFEBF1/2複合体であり、この複合体中のEIN3を特異的に認識するF-boxタンパク質としてEBF1とEBF2が同定されている。EBF1とEBF2は高い相同性を持つ。本発表では、EIN3がEBF2の発現を促進することにより引き起こされるエチレン信号伝達系のフィードバック制御機構について報告する。EBF1とEBF2はEIN3による転写を同程度に抑制することを碓認し、一方で、EBF2プロモーターのみがエチレンによって活性化されることを見いだした。そこで、プロトプラストを用いた一過的発現系とゲルシフト法による解析を行ない、EIN3はEBF2プロモーターに直接結合し、活性化していることを明らかにした。さらに、ebf2変異体において、EIN3結合部位を破壊したEBF2プロモーター下でEBF2を発現させた場合には、野生型EBF2プロモーターでEBF2を発現させた場合とは異なり、ebf2変異体と同様のエチレン高感受性を示すことが分かった。以上の結果から、EIN3とEBF2によるフィードバック制御機構がエチレン応答の調節に重要であることが示された。
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© 2008 日本植物生理学会
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