日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

グルタチオン化を受けるシロイヌナズナ葉緑体型アルドラーゼはカルビン回路におけるひとつの反応の単なるスイッチではない
*松本 雅好小川 健一
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0358

詳細
抄録
我々は、これまでにカルビン回路を構成する酵素であるシロイヌナズナ葉緑体型フルクト-ス-1,6-ビスリン酸アルドラーゼ(FBA)が in vitro、およびin vivo でグルタチオン化依存的な活性制御を受けることを明らかにした(松本ら、日本植物生理学会2006年大会)。
ここでは、グルタチオン化依存的な活性制御を受けるFBAはカルビン回路のアルドラーゼ反応の単なるスイッチではないことを報告する。FBAの過剰発現体とノックダウン変異体において、CO2固定量、デンプンの蓄積量はFBA量に相関していたことからFBAの反応はカルビン回路の律速段階と考えられたが、CO2濃度を2倍にいた場合、CO2同化速度は初期のRubiscoに依存した段階まで上昇した。クロロフィルあたりのRubisco量もFBA量と相関していたことを考えると、グルタチオン化されるFBAは、単なるひとつの酵素反応のスイッチではなくカルビン回路全体の制御とも深く関わっていると示唆された。
著者関連情報
© 2008 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top