日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネにおける情報伝達因子間の相互作用からみた環境応答機構の解析
*草野 真衣Lama Kabita今村 綾
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p. 0374

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抄録
植物は日々の環境変化に対応して生存し続けている。我々は穀物植物であるイネのHis-Aspリン酸リレー情報伝達機構に着目し、その機能特性を明らかにしたいと試みた。これまでにイネゲノム解析からこの情報伝達機構を構成する3種類の因子(Histidine Kinnase:HK, Histidine-containing Phosphotransfer:HPt , Response regulator:RR)が数種類ずつ存在することが報告されている。また、分子生物学的解析の進んでいるシロイヌナズナやトウモロコシではこの情報伝達機構は各因子に保存されたHis残基とAsp残基間におけるリン酸リレーで情報が伝達されることが示されており、その伝達機構はHK→HPt→RRであると推測されている。そこで我々は数種類のHPt因子とRRに注目して、酵母two-hybrid法を用いた細胞内情報伝達機構のしくみを明らかにすることを試みた。その結果から、イネRRの転写活性能とその領域解析、さらにRRの上流で機能すると思われるHPt因子との相互作用を検討して、2因子に注目した細胞内情報伝達機構について考察する。さらに、さまざまな環境ストレス下における発現因子とRR・HPt因子の相互作用についても検討し、これらの因子がどんな環境ストレス下で機能するかを考察する。
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© 2008 日本植物生理学会
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