日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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クロロフィルdを主要色素としてもつシアノバクテリアの光化学系Iのサブユニット組成と光化学反応の解析
*鞆 達也加藤 祐樹鈴木 健裕秋本 誠志野口 巧土屋 徹堂前 直渡辺 正三室 守
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p. 0547

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抄録
Acaryochloris spp.はクロロフィルd (Chl d)を主要色素(> 95%)として持つシアノバクテリアである (Miyashita et al. 1996; Murakami et al. 2004, Miller et al. 2005)。基準株であるA. marina MBIC 11017は最近その全ゲノム配列が公開され、光化学系Iに関してはPsaIサブユニットのみが欠損していることが明らかとなった。このサブユニットの欠損がA. marina MBIC 11017の光化学系Iの構造・機能に与える影響を調べるために、我々はA. marinaから光化学系Iを高度に純化し、その性質を詳細に解析した。その結果、複数のPsaKサブユニットの存在とA. marina特有の新規サブユニットを見いだした。Hu らよる光化学系Iの過渡吸収の解析により (Hu et al. 1998)、初期電子供与体はChl aでなくChl dであることが報告されたが、我々は、酸化還元差吸収、FTIRによってそのことを確認した。さらに A. marina の PS I の初期電子供与体の電位は他の生物とほぼ同じであること(加藤ら、本大会)を見いだし、その反応中心と初期電子受容体の機能と配置について種々の定常および時間分解分光法により解析を行なった。その結果についても併せて報告する。
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© 2008 日本植物生理学会
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