抄録
ホウレンソウチラコイド膜に熱ストレスを与えると光化学系IIの反応中心タンパク質D1が特異的に損傷を受け、23kDaのN末端断片と9kDaのC末端断片が生じる。これまでの研究から、熱ストレス下におけるD1タンパク質の分解にはチラコイド膜結合型のプロテアーゼFtsHが関与することが示唆されている。[Yoshioka et al.: J. Biol. Chem. (2006) 281, 21660-9] 本研究ではチラコイド膜からFtsHプロテアーゼの可溶化と精製を試みた。様々な界面活性剤や塩(KSCN, DDM, TritonX-100など)を用いてチラコイド膜からFtsHを可溶化し、アラビドプシスFtsH抗体(anti-VAR2)によるウエスタン分析で可溶化上清中にFtsHプロテアーゼを検出した。FtsHプロテアーゼの可溶化には、0.1-1.0%のDDM(n-dodecyl-β-D-maltoside)が最も有効であった。DDM処理によりチラコイド膜から可溶化したFtsHプロテアーゼの精製には陰イオン交換カラム(HiTrap Q Sepharose FFカラム)を用い、その後精製段階のFtsH画分についてβ-カゼインを基質としたプロテアーゼ活性の有無を調べた。