獣医疫学雑誌
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原著
繁殖農場における2産次の母豚の生存産子数減少の要因
齋藤 光纐纈 雄三
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2009 年 13 巻 1 号 p. 40-45

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抄録

本研究の目的は,2産次の母豚の生存産子数(PBA)減少要因の探査とした。本研究では,104農場の2001-2005年に2産まで分娩した51,259頭の母豚の記録を用いた。2産次のPBA減少(D-PBA)は,2産次のPBAが1産次のPBA以下のものとした。分析には混合効果モデルを用いた。51,259頭の母豚のうち,49.5%でD-PBAが見られた。D-PBA発生割合は,1産次のPBAが13頭以上,授乳期間が17-19日,離乳後受胎日数(WCI)が7-12日,受胎季節が夏の時に高かった(P<0.05)。D-PBA発生割合は,1産次のPBAと季節,WCIと季節,WCIと1産次のPBAにおいて交互作用があった(P<0.05)。1産次のPBAが13頭以上の時,D-PBA発生割合は季節による差がなかった。1産次のPBAが13頭未満の時,夏に受胎した母豚は,冬や秋に受胎した母豚よりD-PBA発生割合が高かった(P<0.05)。全ての季節とPBAグループにおいて,WCIが7-12日の母豚はD-PBA発生割合がWCIグループ内で最も高かった(P<0.05)。初受胎日齢はD-PBA発生割合と関連がなく,授乳期間17-19日から≥26日までのD-PBA発生割合の差は0.3-0.5%であった(P<0.05)。結論として,D-PBAは1産次のPBAが多い,WCIが7-12日,受胎が夏である事と関連があった。

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© 2009 獣医疫学会
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