日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネ登熟過程における種子中のオリザノール含量と成分比の解析
*木村 映一小池 説夫渡邊 彰吉田 泰二木村 俊之西尾 隆
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p. 0628

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抄録
γオリザノールは、植物ステロールまたはトリテルペンアルコールとフェルラ酸のエステル化合物の混合物の総称であり、十数種ある構成成分の中でも、β-sitosterol、cycloartenyl ferulate、24-methylene cycloartanyl ferulate、campesteryl ferulateが主要な構成成分である。γオリザノールは玄米重量の約0.04%含まれており、二次代謝産物の中では多く存在する分子であるが、その機能は明らかになっていない。そこで我々は、登熟過程におけるイネ種子中の、γオリザノール含量の推移について解析を行った。登熟の各段階において、種子全粒からγオリザノールを抽出し、HPLCにより測定した結果、γオリザノールは登熟初期の段階において生合成が開始され、登熟の中期から後期にかけて時間と共に含量が増加することが明らになった。また、γオリザノール成分の構成比を解析したところ、登熟が進むにつれ、β-sitosterolの割合は減少し、逆にcycloartenyl ferulateの割合は増加していた。これらの知見から、登熟期間中において、γオリザノールは構成成分を変化させながら増加していることが明らかになった。
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© 2008 日本植物生理学会
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