日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナの脂肪酸合成系遺伝子活性化に関わるAP2サブファミリー転写因子の解析
河合 都妙*徳田 剛史前尾 健一郎中村 研三
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p. 0739

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抄録
シロイヌナズナ種子の成熟過程で発現するAP2型転写因子ASML1/WRIは、プラスチド内での脂肪酸合成に関わる種々の遺伝子のプロモーターに結合して発現を活性化し、種子でのショ糖の油脂への転換促進に働くと推定される。脂肪酸合成に関わるPL-PK遺伝子のプロモーター中にある2カ所のASML1/WRI1結合配列(AW-BOX)に変異を導入すると、PL-PK:GUS融合遺伝子の登熟種子だけでなく植物体における発現もみられなくなり、AW-BOXはPL-PK遺伝子の転写活性化に不可欠のシス制御配列と考えられる。今回、ASML1/WRI1と類似した他のAP2 DNA結合ドメインを2つ持つ転写因子の解析を行った。ASML1/WRI1と最も相同性の高いWAT1は、ASML1/WRI1と同様にAW-BOX結合活性を有し、プロトプラストでの脂肪酸合成系遺伝子プロモーター制御下のレポーター遺伝子の発現をtrans-activationした。ASML1/WRI1に比べ、WAT1の発現は種子よりも栄養組織で高い。現在、プロモーター:GUS形質転換株を用いたASML1/WRI1とWAT1の発現特性の比較、WAT1遺伝子の破壊株や過剰発現株における脂肪酸合成系遺伝子の発現の解析を進めている。また、AP2型サブファミリー転写因子のAP2ドメインの構造類似性と結合するDNA配列との関連を解析している。
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© 2008 日本植物生理学会
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