日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネF-box 遺伝子の高発現によるフラボノイド類の抑制
*齋藤 力横谷 尚起市川 尚斉近藤 陽一草野 都松田 史生松井 南廣近 洋彦岩渕 雅樹小田 賢司
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p. 0781

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抄録
我々は、有用形質を付与するイネの遺伝子を単離するため、イネ完全長cDNAをシロイヌナズナで高発現させることで引き起こされる形質変化を調べている。作成した形質転換シロイヌナズナの中に、種子のプロアントシアニジンが減少し、黄色の種子を形成するライン(R10933)が見出された。R10933の地上部では、アントシアニン類や、ケンフェロール類、ケルセチン類も減少しており、フラボノイド類全般の抑制されたラインであることが明らかとなった。R10933の形質は優性であり、また、アントシアニン合成酵素遺伝子の顕著な転写抑制は認められなかった。
R10933には、KelchリピートとF-boxドメインを有する遺伝子が挿入されていた。この遺伝子をシロイヌナズナに再導入したところ、表現形が再現された。さらに、トマトへも導入したところ、実生においてアントシアニン量の減少が認められた。この遺伝子が合成酵素のタンパク質レベルの抑制に関与するかを調べるため、酵母2-ハイブリッド法により解析を行ったところ、このF-boxタンパク質はカルコン合成酵素と結合することが明らかとなった。シロイヌナズナ相同遺伝子の転写量は、強光ストレス下から通常条件下への復帰時に一過的に上昇していた。これらのことから、この遺伝子は、急速なアントシアニン合成の抑制時に、カルコン合成酵素を分解しているのではないかと考えられる。
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© 2008 日本植物生理学会
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