2026 年 75 巻 2 号 p. 465-470
自己免疫性後天性第V因子欠乏症は,第V因子に対する自己抗体が関与する疾患で,多彩な症状を示すことが多い。今回我々は,血栓症の臨床症状を示し,従来法のクロスミキシングテスト(cross mixing test; CMT)ではインヒビター型が判断できなかったものの,希釈系列を追加測定する工夫を加えたCMTによりインヒビター型と推測しやすくなり,自己免疫性後天性第V因子欠乏症の確定診断に至った症例を経験した。Lupus anticoagulantを含め,精査を過不足なく行うためにも,PT・APTTの延長例のスクリーニング段階でCMTを速やかに院内で実施することが望ましいが,正しく結果判定することが必須となる。数値指標の導入と場合により測定する希釈系列を追加することで,精度の高い検査を診療に反映でき,結果的には検査担当者の経験に影響されにくく,同時に客観性も担保できたものと考えられた。